2005年11月01日
使用済みPETボトルの協会回収が引き続き低迷
9月も前年同月の10.5%減で6ヶ月連続の前年割れ
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法に基づいて指定法人の日本容器包装リサイクル協会が地方自治体から引き取っている使用済みPETボトルの数量が引き続き低水準にとどまっている。
 
 日本容器包装リサイクル協会が1日に集計した9月の総引き取り数量は1万7,718トンで、前年同月の実績を10.5%下回った。この結果、同ボトルの月間引き取り量は6ヶ月連続の前年同月割れとなった。4月からの累積は9万3,907トンで、前年同期の実績を11.6%下回っている。
 
 使用済みPETボトルが容リ法の施行によって一般家庭から分別収集されて同協会に引き渡されるようになってから今年度が9年目となる。この間の引き取り量は常に前年度を大きく上回ってきた。初年度に1万4,014トンであったのが16年度には19万1,726トンまで拡大している。しかし今年度は、一転して前年度の実績を大幅に下回ることになる公算が濃厚となっている。
 
 これには、市町村の中で分別収集と選別・保管費用をカバーするため有償で中国向け貿易業者にまとまった数量を引き渡すところが相次いで出始めたことによるもの。
 これに伴い、大型のボトルtoボトル設備を新設した帝人ファイバーが早々と操業の中断に追い込まれているのを始め、多くのリサイクル事業者が“原料”不足から事後の存続の危機に立たされるに及んでいる。
 
 同協会の委託を受けて同ボトルを再商品化(リサイクル)している事業者による同じ9月の再商品化数量は1万2,624トンで、前年同月の実績を4.2%下回っている。再商品化の場合も過去9年は前年同月を常に上回ってきたが、今年度に入ってから突然様変わりして9月が3度目の前年同月割れとなっている。9月の実績で特に目を引くのはボトルへのリサイクル量の激減だ。前年同月に1,260トンであったのがわずか76トンに縮小している。8月は60トンで、前年同月比は2%となった。世界のモデルになると期待されたボトルtoボトルシステムが宙に浮いたままのかたちとなっているわけで、最近では、こうした事態を招いた自治体の責任を厳しく追及する識者が多い。
 再商品化数量の4月からの累積は7万8,617トンで、いまのところ前年同期を3.5%上回っている。しkしこれは4月と5月が前年を上回っていたことによるところが大きく、8〜9月の状態が続けば遠からず前年割れとなる。