2006年11月02日
プラ製容器包装の引き取りは引き続き順調
再商品化ではMRだけが大幅な伸びを維持
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会の集計によると、同協会が容器包装リサイクル法に沿って9月中に全国の市町村から引き取った使用済みプラスチック製容器包装の総重量は4万4,246トンとなった。前年同月の実績を2.2%上回っている。この結果、4月からの累積は27万5,351トンとなった。前年同期を3.2%上回っている。同じ樹脂製の容器包装でもPETボトルと異なり、比較的順調な回収が続いているといえる。

 9月の総引き取り量のうち70トンは白色の発泡スチロール製トレイであり、同トレイの前年比は2.8%減となっている。圧倒的多数を占める「その他プラスチック製容器包装」は4万4,177トンで、前年同月比は2.2%増となっている。4〜9月の累計のうちの同トレイは435トンで前年同期を8.6%下回っている。その他プラは27万4,915トンで3.2%増となっている。
 
 一方、同月の再商品化(リサイクル)数量は全体が3万130トンで前年同月を5.9%上回っている。うち、その他プラは3万56トンで同5.9%増、同トレイは73トンで同30.4%増となっている。
 注目されるのは、その他プラの再商品化手法のうちプラスチック製品化(マテリル・リサイクル=MR)だけが引き続き大幅な伸びを遂げている点だ。同手法による処理量は1万973トンで前年同月を48.5%上回っている。他の手法は、高炉還元剤化が2,761トンで同0.7%増、コークス炉化学原料化が1万2,662トンで同9.8%減、合成ガス化が3,328トンで同8.9%減、熱分解油が333トンで同42.0%減と不振を続けている。
 
 再商品化の4〜9月の累計は、全体が17万1,219トンで前年同期を4.9%上回っている。うち、その他プラは17万835トンで同5.0%増、同トレイは384トンで同7.5%減となっている。
 この場合も、その他プラの中ではプラ製品化だけが大幅な増加を遂げている。6万2,710トンで前年同期を47.9%上回っており、他の手法は高炉還元剤化が1万6,944トンで同1.0%減、コークス炉化学原料化が7万3,408トンで同8.6%減、合成ガス化が1万5,608トンで同20.2%減、熱分解油が2,165トンで同36.3%減と軒並み前年を割り込んでいる。年度始めにおける再商品化事業者の入札がMRを優先して実施されるパターンとなっていることによるもの。このままいくと、MRが必要以上に肥大化してプラ製容器包装の円滑なリサイクルに支障が生じる恐れが出てくる。