2006年12月18日
NDRC、内蒙古自治区での神華集団のMTO計画承認
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

  国家発展改革委員会(NDRC)はこのほど、中国国有石炭最大手の神華集団による内蒙古自治区包頭市での MTO(Methanol to Olefin)計画を承認した。

 着工済みのCoal to Methanol 180万トン計画に加え、MTO 60万トン、PE 30万トン、PP 30万トンを建設するもので、総投資額は約15.5億ドルに達する。2010年のスタートを予定している。

 担当するのは包頭神華石炭化学社で、神華集団が76%出資し、上海華誼集団公司が24%を出資する。

 MTO技術はについてはShaanxi Xinxing Coal Chemical、SINOPEC Luoyang Engineering と中国科学院大連化学物理研究所が共同で開発したDMTO(Dimethyl Ether/Methanol-to-Olefin )技術を使用する。

 2005年8月に、神華集団が包頭市でのCoal-to-Olefins (CTO)計画の一次認可を受けた。石炭からメタノールを生産し、メタノールからオレフィンを生産するものであった。

 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=17137

 同社は2005年10月に先ず、180万トンのCoal to Methanol 計画の承認を受け、建設を開始した。MTO計画については未承認のままで、とりあえず、UOP技術を導入する覚書を締結した。

 当時の提携先はKerry Group とBaotou Tomorrow Technology Co (包頭明天科技)であった。その後、後者が撤退し、代わりに上海華誼集団公司が参加した。更に、政府が外国企業の投資を望まないことから、Kerryも撤退した。

 2006年7月、政府は石炭化学産業を規制する通達を発表した。年間300万トン未満の石炭液化計画、年間100万トン未満の石炭からのメタノール又はDMT生産計画、年間60万トン未満の石炭からのオレフィン生産計画を承認しないとしたが、同時に国産技術の採用を指導した。

 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=19326

 これに基づき、神華集団ではUOP技術ではなく、今回の国産のDMTO技術を採用することとし、このたびの認可に至った。

 なお、以前のパートナーのKerry Group はマレーシアの華僑 Robert Kuok (郭鶴年) の会社で、アジアで幅広く農園、食品、ホテル、不動産等の事業を行っている。

 神華集団とダウは2004年10月に、共同で中国でのCoal-to-Olefin 事業実施のFSを行うと発表している。

 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=15243

 両社は現在もFSを継続中で、情報筋の話ではダウは上記のDMTO技術を評価中という。