2007年08月03日
プラ製容器包装のリサイクル、6月も順調に進展
マテリアルリサイクルの構成比率が一段とアップ
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 (財)日本容器包装リサイクル協会が6月中に容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から引き取った家庭系プラスチック製容器包装廃棄物の総数量は47,706トンで前年同月を1.1%上回った。また、同協会の委託を受けてリサイクル事業者が同月中に再商品化(リサイクル)したプラ製容器包装廃棄物の総数量は29,898トンで同3.2%増となった。

 これで、市町村からの引き取り数量は3ヵ月連続の、またリサイクル量は6ヵ月連続の前年同月超えとなった。4月からの累計は引き取り数量が145,025トンで前年同期の4.6%増、リサイクル量が80,745トンで同4.5%増となっている。

 引き取り量もリサイクル量もともに順調に増えてきているといえる。ただし、リサイクル量が依然として引き取り量を大幅に下回っている点は軽視できない。これは、家庭から分別収集された使用済みプラ製容器包装の中に汚れがひどかったりプラスチック以外のものが混入していて埋め立て処理せざるを得ないものが多いため。

 こうした悩みを解消するには、ケミカルリサイクルなりサーマルリサイクルなりの活用が強力に推進されてしかるべきといえる。しかし実際には、毎年のリサイクル事業者の入札に当たってはマテリアルリサイクル事業者が優先される傾向が続いているため事態の改善はほとんどできないままきている。

 6月の手法別のリサイクル実績にもそのへんがはっきり現れている。プラ製容器包装のほとんどを占める「その他プラスチック製容器包装」の6月の総リサイクル量は29,827トンで、前年同月を3.2%上回っているが、マテリアルリサイクル(プラスチック製品化)量は13,140トンで同18.6%増となっている。

 全体に占める構成比は44%強に達しており、前年同月を2ポイント上回っている。一方のケミカルリサイクルを代表するコークス炉化学原料化は10,949トンで同13.7%減となっており、構成比は前年同月の40%弱から37%弱に下がっている。高炉還元剤利用は2,497トンで同15.1%減となっており、構成比は9%弱から8%強に低下している。

 4月から6月までの累計も、マテリアルリサイクルが前年同期を16.9%上回っているのに対して、コークス炉化学が原料化は7.7%、高炉還元剤利用は14.8%それぞれ前年同期を下回っている。合成ガス化は6月単月も4〜6月累計も前年を大きく上回っているが、絶対量がそれぞれ2,841トン、6,073トンとまだ小さい。