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2007年11月26日 |
東京理大、世界初・高性能「マグネシウムシリサイド」合成に成功 |
地球温暖化主因の「排熱」を電気エネルギーに直接変換 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:なし |
東京理科大学の飯田務准教授(基礎工学部材料工学科)はこのほど、ユニオンマテリアル社(茨城県利根町)と共同で、地球温暖化の主要原因となっている「排熱」エネルギーを電気エネルギーに直接変換する熱電変換半導体材料であるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)の量産化に成功、世界で初めて高品質な素材を安定生産する技術を開発したと発表した。 ユニオンマテリアル社は、来年1月から、昭和KDE社(東京都渋谷区)を通して販売開始する。 世界各地で大量消費される化石燃料は、一方では、地球温暖化など深刻な環境問題を引き起こしているが、エネルギー利用効率はわずか3割に過ぎず、残りの7割は「排熱」として未利用のまま捨てられている。 飯田准教授を中心とする研究チームは、この排熱を有効利用しようと、高性能・無毒性の排熱発電材料の研究開発に取り組んできた。 これまでは、鉛とテルルの化合物(Pb−Te)が中高温度領域での排熱発電材料として知られているが、鉛の有毒性、テルルの希少性といった問題があり、環境低負荷な材料の開発が求められていた。 飯田准教授らが今回合成に成功したマグネシウムシリサイドは、地中に豊富に存在する元素で構成されており、原材料枯渇の心配がない。生成および廃棄時における人体や環境への影響もない。多様な排熱源を有効活用することで、エネルギーのリサイクルを実現することができる。 研究グループでは「この材料を利用した排熱発電装置を自動車エンジンに適用することで、約10%のエネルギー効率向上が期待できます」と言っている。 同グループは11月26日から米国ボストンで開催される世界最大規模の材料工学会MRS(Materials Research Society)に詳細発表を行う。 |