2008年01月10日
プラ製容器包装の回収は順調に推移
リサイクルはMR偏重が継続
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装リサイクル協会が全国の市町村から11月中に容器包装リサイクル法に沿って引取ったプラスチック製容器包装の総数量は47,577トンで、前年同月の実績を8.4%上回った。同3.7%減で再び前年同月割れに転じたPETボトルとは対照的なかたちとなっており、この結果、同容器包装の月間引取り量の前年同月超えは8ヶ月連続に伸びた。
 
 うち、白色発泡スチロール製の食品用トレーを除く「その他プラスチック製容器包装」の引取り量は47,509トンで前年同月を同じく8.4%上回っている。この場合も8ヶ月連続の前年同月超えである。
 また、プラ製容器包装全体の4月からの累計は384,657トンで、前年同期の実績を5.6%上回っており、うち「その他プラ製容器包装」は384,069トンで同5.6%増となっている。
 
 一方、同協会の委託による再商品化(リサイクル)の11月の実績は、プラ製容器包装全体が31,031トンで同0.4%減、「その他プラ製容器包装」は30,967トンで同じく0.4%減となっている。ただし4月からの累計は全体が239,815トンで同2.8%増、「その他プラせい容器包装」が239,304トンで同2.9%増となっている。
 
 この中で注目されるのは、「その他プラ製容器包装」のリサイクルのうちプラスチック製品化(マテリアルリサイクル=MR)が引き続き大きな伸びを遂げていて、その反面、高炉還元剤利用やコークス炉化学原料化等のいわゆるケミカルリサイクル(CR)が縮小している点だ。
 11月のリサイクル実績のうちMRは11,807トンで前年同月を9.1%上回っているが、高炉利用は2,398トンで同22.1%減、コークス炉利用は11,335トンで同3.5%減、合成ガス化は5,074トンで同0.9%減に終わっている。
 4月からの累計もMRが95,630トンで同13.0%増となっているのに対して、高炉利用は20,075トンで同13.2%減、コークス炉利用は88,646トンで同9.0%減と落ち込んでいる。
 このようにMRとCRとで大きな違いが生じているのは、同協会による年度始めの入札がMR優先型となっているためと指摘する関係者が多い。問題は、MRに回されたプラ製容器包装の中に汚れがひどいものや異物が混入しているものもかなり存在していて、それらは埋め立て処理に回されている言える点だ。つまり実際のリサイクル率がMRの場合はCRの場合を下回っていると見られるわけで、したがってMRだけが引き続き伸びていくことは容リシステムの存続上ベターとはいえないということになる。