2008年03月13日
三菱CHC、新規7大事業の育成に注力
2015年の売上高2,500億円、営業利益300億円
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱ケミカルホールディングス

 三菱ケミカルホールディングスは12日、三菱化学科学技術研究センターにマスコミとアナリスト多数を招いて同グループの総力を上げて育成していくことにしている新規7大事業の概要と、7分野合計の中期業績目標等を明らかにした。
 
 うち中期業績目標については、山本巌・三菱化学科学技術研究センター社長・三菱化学イノベーションセンター横浜センター長が「先ずは、2015年に7分野トータルで売上高2,500億円、営業利益300億円を確保するようにしたい」と説明。次いで、小橋康ニ・三菱化学オプトエレクトロニクス事業部長、須川幸男・同社ディスプレイ材料事業部長、星島時太郎・同社イノベーションセンタープロジェクトPV統括らが、「固体照明」「HEV用リチウムイオン電池材料」「次世代ディスプレイ」「自動車用ケミカルコンポーネント」「バイオポリマー」「有機太陽電池」「個別化医薬・創薬支援」の計7分野の技術開発状況や今後の事業展開策等を明らかにした。
 
 うち「固体照明」に関しては、06年に白色LED用の蛍光体の製造・販売に踏み切って一般照明やLCD-TVのバックライトさらには車載光源分野等を中心に順調に市場を拡大中のところ。加えて08年には極性窒化ガリウム(GaN)基板と世界初の非極性GaNをそれぞれ企業化、そして09年には次世代高性能白色LED用近紫外高出力チップ/近紫外励起蛍光体/高耐久性封止材料を上市する計画である。
 こうした新規材料の追加によって新しいマーケットを相次いで開拓し、2010年には200億円を売上げるように持っていきたいとしている。
 
 また「次世代ディスプレイ」については、既存の蒸着型有機ELに替わる材料として塗布型の低分子ELを開発して、コスト面と機能面の両面にまたがる市場ニーズに的確に対応していきたいとしている。2015年の本格企業化を目指していく。
 
 また最近話題を呼んでいる「有機太陽電池」に関しては、軽量・フレキシブルでコストも安い新材料の開発に成功しているので、今後は変換効率の向上を図って早期の本格企業化を目指していきたいとしている。現在の変換効率は3.8%だが、これを2010年にはポリシリコン品と同じ7%まで高めて本格参入を果たす考え。さらに2015年には20%以上のレベルに引き上げたいとしている。