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2001年07月27日 |
フタル酸エステル類含有の器具容器とおもちゃの規格基準改正へ |
厚生労働相の諮問機関が一部PVC製品の製造や使用を規制する方向 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:なし |
厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会の食品衛生分科会は27日、毒性・器具容器包装合同部会を開き、食品衛生法の規定に基づく「器具及び容器包装の規格基準」と「おもちゃの規格基準」の改正について審議した。その結果、事務局である同省医薬局食品保健部基準課がまとめた改正案を基本的に了承した。またこれに合わせて、フタル酸エステル類の「DEHP=フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)」と「DINP(フタル酸ジイソノニル)」のTDI(人の1日当たりの許容摂取量)についても意見を交わし、同じく事務局案を承認した。 このうちの「器具及び容器の規格基準」の改正については、『DEHPを含有するポリ塩化ビニルをもって油脂、脂肪性食品の器具及び容器包装を製造してはならない。ただし、DEHPが溶出又は浸出して食品に混和するおそれのない場合はこの限りでない』とする事務局案を巡って熱心に論議されたあと、基本的な同意が得られた。ここで言う“油脂及び脂肪性食品”とは、“食品中又は食品表面の油脂含量がおおむね20%以上であって、乾燥した固形食品以外の食品”を指す。 一方、「おもちゃの規格基準」の改正では、『合成樹脂製のもので、乳幼児が口に接触することをその本質とするおもちゃの製造には、DEHPあるいはDINPを含有するポリ塩化ビニルを使用してはならない』と規定すると同時に、『合成樹脂製のものの製造には、DEHPを含有するポリ塩化ビニルを使用してはならない』という内容の事務局案を認めた。この場合は、おしゃぶりなど乳幼児の口にするものはDEHPとDINPの両方のフタル酸エステル類が規制され、そうでないおもちゃ全体に関してはDEHPだけが規制されるということになる。 同局がこうした規格改正案をまとめたのは、厚生科学研究等によって、油分を含む食品にDEHPが容易に移行することが明確になったことと、おしゃぶりを長時間マウシングするとDINPが多量に溶出する場合があることが判明したため。 同局では、この日の審議結果について一般市民からパブリックコメントを求め、その結果を同合同部会に諮って最終答申を得るようにしたい考え。今年度内に答申を得て告示したい意向である。実際の施行は、経過措置の一定期間を経てからとなる。 なお、この日に決められたTDIは、DEHPが40~140μg/kg/day、DINPが150μg/kg/dayとなっている。 |