2008年07月03日
プラ製容器包装も協会引き取りが微増にとどまる
リサイクルでは高炉利用の衰退が目立つ
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 日本容器包装包装リサイクル協会が5月中に容器包装リサイクル法に沿って全国の市町村から引き取った使用済みプラスチック製容器包装の総数量は54,040トンで、前年同月比は3.7%増となった。
 
 これで同協会による月間引き取り数量の前年同月超えは14ヵ月連続に延びた。ただ前年同月に対する伸び率は5月も同協会の当初の見込みを大きく下回っている。同協会の今年度の予定総引き取り量は669,102トンで、前年度の実績に対する伸び率は15.1%となっている。それに対して4月は同10.4%増であったが、5月は大幅な未達となっており、これに伴う4〜月合計の引き取り量は103,984トンで前年同期の実績に対する伸び率は6.8%にとどまっている。
 
 一方、同協会の委託による5月の再商品化(リサイクル)実績は31,303トンで前年同月を5.1%上回っている。4〜5月の累計は54,311トンで、前年同期比は6.8%増となっている。そのほとんどは、白色の発泡スチロール製食品用トレーを除く「その他プラスチック製容器包装」で占められている。同容器包装の5月のリサイクル数量は31,242トンで、前年同月を5.1%上回っている。2ヵ月連続の前年同月超えであり、4〜5月の累計は前年同期比6.8%増の54,204トンとなっている。

 注目されるのは、一時期高成長を遂げてプラ製容器包装のリサイクルの主流を占めていた高炉還元剤利用が平成19年度末に前年割れに転じて以降不調を続け、5月も大幅減を記録している点だ。

 高炉利用量の5月の実績は1,555トンで前年同月を39.0%下回っている。14ヵ月連続の前年同月割れで、4〜5月の累計も2,623トンにとどまり、前年同期を44.6%下回っている。平成16年7月と8月にともに6,000トンを大きく超える実績を上げたことが信じられないほどの凋落ぶりである。

 これに替わって成長が見込まれていたコークス炉利用も5月は同5.6%減の11,026トンと不調であった。反面、昭和電工による合成ガス化は同2.25倍4,326トンと急成長を遂げている。3ヵ月連続の前年同月超えで、4〜5月の累計は同84.9%増の5,977トンとなっている。
 現在の主流のプラスチック製品化は5月が同6.8%増の14,071トン、4〜5月計が同14.5%増の14,071トンとなっている。