2009年01月14日
三井化学、ポリウレタンの減産をさらに強化
TDIもMDIも4〜6月期の生産はゼロに
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学ポリウレタン

 三井化学ポリウレタン(今年4月1日付けで親会社の三井化学に統合)は、世界全体のポリウレタンの需要の縮小に対処してTDIとMDIの減産措置を一段と強化する方針を固めた。

 5月から実施する予定であった両製品の製造プラントの定修を前倒しして、4月から6月末までの間の生産をTDIもMDIもともにゼロとする。思い切った生産調整だが、これによって在庫を早期に極限まで減らして在庫負担を軽減するとともに、中国をはじめとしたアジア地域全体の市中在庫の適正化と需給バランスの均衡に結びつけていきたい(桑原信隆・同社社長)としている。

 現在同社は、TDIについては大牟田工場の年産120,000トン設備の稼動を50%に抑え、一方の鹿島工場の同117,000トン設備の稼動を全面的に休止する措置を取っている。全体の稼働率はほぼ25%になる。

 3月末まではこの稼働率を維持していく考えだ。ただし、このままいくと特殊品種の在庫が不足する事態が生じるので同品種の生産が可能な鹿島工場のプラントの稼動を2月入りと同時に再開、替わって大牟田のプラントの操業を全面的に休止する計画。鹿島のプラントの稼動率は50%に抑えていくので、トータルの稼働率は現在と同じ25%ということになる。

 一方MDIに関しては、昨年12月末まで全面運休してきた大牟田の同60,000トンプラントを現在は再稼動させているものの1月末には再び運休することにしている。

 1〜3月期におけるTDIとMDIの両製品を合計した平均稼働率は30数パーセントとなる。これだけ大幅な減産措置は、世界各地の大手ポリウレタン企業の間でも過去に例がない。加えて4月以降は、定修の前倒しで3ヵ月にわたって全面的な生産休止に踏み切ろうとしている。

 最近は、欧米の大手TDIメーカーも世界各地のプラントを対象に大幅な減産や定修期間の延長を実施しつつある。こうした動きがしばらく続けば中国をはじめとした大口消費国における市中在庫は縮小し、需要家各社からの引き合いが盛り返すことになると見られている。