2009年04月06日
市町村によるPETボトルの引き渡し量が増加
2月も前月に続いて前年比2割強の拡大に
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 市町村が容器包装リサイクル法に沿って日本容器包装リサイクル協会に引き渡す分別収集PETボトルの数量が、1月に続いて2月も前年同月を大きく上回ったことがこのほど明らかになった。
 
 同協会が集計した同ボトルの2月の引き取り数量は10,173トンで、前年同月比は21.2%増となった。1月の同23.0%増に次ぐ高い伸び率である。昨年4月からの累計は141,082トンで、前年同期を8.&%上回っている。
 使用済みPETボトル(市町村が家庭から分別収集したPETボトル)の同協会の引き取り量(市町村による引き渡し量)は平成17年度から19年度までの間、毎年前の年を下回る状態が続いてきた。拡大一途できたのが17年度に突然マイナス成長に転じていらいそのまま3年が経過した。これには、多くの市町村が分別収集した同ボトルの過半を同協会に引き渡さずに中国(香港を含む)を中心としたアジア各国に売却するようになってきたことによるものであった。
 
 ところが、20年度に入ってからはわずかながら前年を上回る月が続くようになり、そして12月以降は3ヵ月連続で2ケタの伸びを遂げるに至っている。大きな様変わりとなっているわけだが、これには拡大一途できた輸出昨年9月を境に大幅な縮小を続ける事態となっていることがストレートに影響していると見られる。
 財務省の2月の輸入通関速報によると、同ボトルが85%程度を占めると見られるPETくずの2月の総輸出量は28,601トンで、前年同月の実績を2.8%下回った。これで4ヵ月連続の前年割れとなった。この数ヶ月の同協会の引き取り数量の大幅増は、こうした輸出の縮小と完全に連動するかたちとなっている。
 今後も、中国のポリエステル繊維製品の輸出の急回復は無理と見られているだけにわが国の市町村による同ボトルの輸出は低空飛行を余儀なくされそうだ。
 
 なお、同協会による同ボトルの2月の再商品化(リサイクル)量は9,518トンで、前年同月の実績を12.8%上回った。3ヵ月連続の前年超えである。昨年4月からの累計は112,063トンで、前年同期を8.5%上回っている。