| 2009年04月08日 |
| 中国の現況と日系企業の経営課題(4) |
| 地方政府が公共事業に投資、企業は人材確保 |
| 【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:なし |
中央政府の経済成長8%を目指す数多い政策に対し、地方政府も活発に動いている。政府担保で企業融資(金利5%の2%を補助)したり、公共事業に投資して内需拡大をすすめている。昨年10月には経営不振で企業が夜逃げ、その従業員の給与を地方政府が立て替える場面もあった。 地方によっては、消費券を配ったり、大学生の創業に無金利融資をしている。失業した農民工の就職あっせんも行う一方、企業側も解雇しない宣言や給料の保障あるいは増加を行うなど、人材確保のために努力し、また前向きに販路の拡大を手掛けている。 地方政府の投資は向こう2〜3年で10兆元、2015年ごろまでに計18兆元に上る見通し。10兆元を主な都市別にみると北京市は向こう2年間に1,200億元〜1,500億元に投資を準備、1兆元規模の社会投資を予定している。軌道交通や高速道路網、都市型火力発電センターなど。 上海市は来年までに1,600億元の資金を用意、1兆1,000億元余の社会投資を行う。広東省は今後5年間に1兆3,000億元を投資、珠江デルタの軌道交通や武漢—広州幹線旅客交通線、万博開催を進める。 遼寧省は09年に1兆3,000億元を投資、インフラ建設、サービス業の発展に力を入れる。浙江省は向こう2年間に3,500億元を投資、1兆元の社会投資を行い沿海鉄道の建設などを進める。 吉林省は今後数年間に4,000億元を投資、ハルピン—大連間、長春ー吉林間の鉄道建設、空港整備などを行う。雲南省は5年年間に3兆元を投資、ミヤンマーとの石油パイプライン建設、雲南ー桂林、麗江—香港間の鉄道建設などを行う。 今年初めに世界銀行が中国の09年の成長見込みを6.5%まで下げたのに対し、アジア開発銀行は3月末、第2・4半期には回復し始め、第4・4半期には8%程度まで回復、来年には8%を達成するとみている。政府の果断な政策の実施が奏功しているようである。 アジア開発銀行は経済の成長で投資・輸出を減らし、個人消費を伸ばすことが課題だとし、失業した出稼ぎ農民に的を絞った社会保障システムの整備が求められるとしている。余剰労働力の吸収が最大の課題といえよう。 中国の現況と日系企業の経営課題(1) http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=26385 中国の現況と日系企業の経営課題(2) http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=26402 中国の現況と日系企業の経営課題(3) http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=26408 |