2009年06月15日
中国江蘇省が沿岸開発・地域発展でセミナー 南通、連雲港と楊州、鎮江など
【カテゴリー】:海外
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 中国でトップクラスの成長を誇る江蘇省が、南通市、塩城市、連雲港市の沿岸都市を交通網、港湾などで結ぶ「江蘇沿海開発および地域共同開発戦略」を打ち出し、12日、東京で発表、協力を呼びかけた。この開発は国家レベルで発展改革委員会が指導している。

 江蘇省は面積約10万平方キロ、人口7,600万人で、かっての「シルクの都」から、蘇州、無錫、南京を中心に経済、観光都市として大きく成長した。今後さらに太平洋岸の南通、塩城、連雲港を結び国内需要の開発、国際貿易を発展させようと新戦略を作成した。

 羅志軍・江蘇省長、毛偉明・省発展改革委員会主任、崔天凱・駐日大使館らが出席、日本側から丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長、石原邦夫・東京海上火災会長、篠田和久・王子製紙社長,笠井国際貿易促進協会理事長らが歓迎のスピーチを行った。出席者、約700人。

 同省の管轄下にある南京、無錫、徐州、常州、蘇州、連雲港、南通,准安、塩城、楊州、鎮江、泰州、宿遷の13市の代表も出席した。日本との協力関係を深めたいとして、200項目に上るプロジェクトを提示した。
羅・江蘇省長によると沿岸地域は「連雲港、塩城、南通の3都市で構成され、陸地面積3.25平方キロ、人口1,923万人。蘭州—連雲港、蘭州—新疆間の鉄道沿線地域として知られる。

 07年から大型港(連雲港、30万トン埠頭)や南通の空港、大型プロジェクトの建設などで、産業発展、沿岸経済の開発計画を進めている」としている。具体的には長江デルタ地域北部の運輸センター、沿海部の新たな工業基地、重点観光地、土地資源開発区、自然環境を生かした生活地などを目指している。3市の臨港を連動させ、臨港産業集中区と物流園区を建設する。連雲港からはオランダのアムステルダムに通じる鉄道が敷かれており、これをニューシルクロードとして近代化する案が出ている。

 新エネルギー、石油化学、鉄鋼、造船、食品加工などの港湾関連産業を優先的に発展させ、新型装備産業、新材料、新医薬なども手がける。また、現代農業、農産物の生産加工、農業観光レジャーの基地も建設する。さらに干潟資源が豊富であり、造成を行う。

 江蘇省は中国大陸の2%の土地に11%の人口、GDPの22%を占める。日系企業6,700社が進出、これまでに256億ドルを投資している。08年の貿易額は480億ドル(うち輸入260億ドル)。日本には江蘇省への企業進出のほか、人材の交流、経験と知恵の分かち合い、中堅幹部の交流などをのぞんでいる。

 羅・省長は「日本とは長い交流があり、古くは奈良の唐招提寺の鑑真和上の故郷として知られる。蘇州の寒山寺も馴染みがおおい」と語った。


<既報>
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