2001年02月26日
東レ、PBTは玉融通などで当面の需要増に対応
連続重合設備新設は数量がまとまるまで慎重に検討
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:ウィンテックポリマー、東レ、三菱化学

 東レは、需要の拡大とともに需給がタイトとなっているPBT(ポリブチレンテレフタレート)について、当面は台湾など他社からの玉融通で対応していく考えだ。最終的には、単独で東南アジアなどを候補に単独で重合設備を建設する考えだが、連続重合法の採用を予定しており、販売が同製法のメリットが活かせる数量にまとまるまでは慎重に検討する方針。
 PBTは近年、IT関連や自動車などの分野を中心に需要が拡大している。特に昨年は、主原料の1,4BD(ブタンジオール)の需給がタイトであったため、PBTも増産できずタイトな状態で推移した。また、一方で今後の新設備は、従来のようなPET(ポリエチレンテレフタレート)の重合釜を転用したバッチ式設備ではなく、より大量、効率的にPBTを生産する連続重合プロセスを採用した大型設備が主流になると見られており、欧米では共同投資による新設備の計画が打ち出されている。さらに、日本でも、ウィンテックポリマーが2002年初頭をめどに松山で年産5万トン、三菱化学も2002年に四日市で6万トンの連続重合設備の建設を予定している。
 これに対し東レは現在愛媛に重合設備を有し、昨年の生産量は2万4,000トン前後とフル稼働だった。今年も順調な販売が見込まれ、近い将来玉不足となる可能性が高まっているが、「台湾の企業などでも増産する計画があり、当面は他社からの玉融通などで対応する」(同社樹脂事業部門長の大塚宣征理事)方針。現在、連続重合設備の採算規模は年産5~6万トン以上と見られ、「現在単独で新設備の建設を考えているため、もう少し販売数量がまとまる必要がある」(同)としており、結論が出るには2年くらいかかる見通しだ。