2000年12月28日
MEP、今春のタイの事故の影響を年内で解消
ただし来年も需給タイトで玉繰りには苦慮する見通し
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱エンジニアリングプラスチックス

 三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、PC(ポリカーボネート)の需給タイトな状態が続くなか、今春タイの関係会社TPCC(タイ・ポリカーボネート)で発生した事故の影響を受け、玉繰りに苦労してきたが、年内にもようやくその影響が解消される。来年以降は、今秋韓国・三養化成で実施した増強や、今夏から黒崎で稼動した新製法による2万トン設備の稼動がフルに効いてくることになる。
 今年3月6日、TPCCの有している年産6万トン設備でガス漏れ事故が発生、このため5月上旬まで設備の停止を余儀なくされた。TPCCを含めたMEPグループのPC生産能力は現在年産20万5,000トンであり、能力の約3割に当たる設備が2カ月間にわたって停止したことで、ディスクグレードを中心に大きな影響が出ていた。また、事故発生直後から東南アジアの市況も急騰、トン当たり3,500ドルを超えた。
 東南アジアの市況は、その後台湾のディスクメーカーが香港に過剰玉を持ち込むなどして下がっているが、昨年から今年にかけて相次いで発表された新増設計画が本格的に稼動するのは2002年以降と見られており、2001年は需給もタイトな状況は変わらないため、基本的には市況も高水準で推移する見通しだ。
 MEPグループも、2002年には鹿島および三養化成の増設を控えているが、事故の影響がなくなったとはいえ、2001年も供給には苦慮する年になると見ている。