2016年03月10日
特許庁・調査「中国での摸倣被害 依然断トツ」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:特許庁

特許庁は10日、わが国企業の模倣被害の実態をまとめた「2015年度摸倣被害調査報告書」を発表した。過去5年間に特許・実用新案出願を行った企業の中から出願件数の多い8,069社を対象にアンケートした。回収数は4,105社(有効回答率50.7%)だった。

同調査の結果、2014年度に摸倣被害を受けた企業の割合(摸倣被害率)は21・9%で大きな変動はなかった。
国・地域別では、被害を受けた企業の64・1%が中国と、依然中国での被害率が高く、次いで韓国(18.9%)、アセアン6カ国(18.8%)、台湾(18.0%)の順と、アジア地域での被害が引き続き深刻であることを示した。

これに対して、摸倣被害対策を実施した企業の割合(対策実施率)は、前年度比9・7ポイント増の51・6%となった。企業規模別でみると大企業は8・0ポイント増の55・3%、中小企業は11・1-ポイント増の49・0%だった。

今後の対策については、中国に加えてアセアン6カ国での対策が重視され、引き続き対策強化を図る傾向が見られる。また企業の摸倣品対策として、単独での行政摘発や税関での水際対策だけでなく複数社共同で対応するなどの取り組みも見られている。

特許庁はこれまで、海外で模倣品の被害を受けている中小企業に対しては、現地侵害の調査や模倣品業者への警告・行政摘発のための費用を補助するなどの支援を行ってきた。今後も模倣被害を減らすよう対策に努めるとしている。