2016年03月24日
産総研、低濃度金属廃液から金とパラジウム 効率回収
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は23日、筑波大学の蓑田歩助教授らとの共同研究グループが、硫酸性温泉に生息する紅藻ガルディエリア・スルフラリアの細胞表層が、強酸性条件下でも高い効率で、金とパラジウムを吸着することを見いだしたと発表した。

高温・酸性条件の硫酸性温泉に生息する紅藻は、強酸性条件下でも、濃度0・5ppm(0・00005%)の金とパラジウムを高い効率で回収することを見いだした。これは、活性炭やイオン交換樹脂が吸着可能な濃度(5-30ppm)の10分の1以下の低濃度であっても回収が可能なことを示すものである。

また、金やパラジウムの10倍近い濃度の銅を含む実際の金属廃液からでも、酸濃度を0・6M(モル濃度)程度にすることで、金とパラジウムを選択的に短時間で吸着回収、溶出できることも確認できた。

今回の研究成果は、低濃度の金とパラジウムを低コストで回収・リサイクルする技術の開発につながることが期待される。