2000年08月10日
三井化学、韓国でアクリルアマイド新合弁、バイオ法で増設へ
龍山化学のアクリルアマイド事業を新会社へ統合
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:トーメン、三井化学

 三井化学は10日、韓国においてアクリルアマイドの新合弁会社を設立、2001年末完成予定で自社技術のバイオ法による年産5千トンプラントを蔚山地区に建設する、と発表した。
 新会社名は「龍山三井化学株式会社」で、設立時の資本金は10億ウオン、出資比率は同社50%、韓国・龍山グループ50%で、7月25日に設立した。
 同社ではアクリルアマイド事業をコア事業と位置づけ、成長市場のアジアに重点を置き事業拡大・展開を進めている。生産拠点としては日本では大阪工場に2万3,000トン茂原工場に1万5,000トンと2拠点、韓国の龍山化学で7,000トンおよびインドネシア・三井エテリンドケミカルズで5,000トンと合計4拠点で5万トンとアジア最大の供給体制をもつ。
 このうち韓国では現在、龍山化学(龍山グループ50%、同社37%、トーメン13%)で事業展開を行っているが、同社主導の事業運営を目的とした新会社を設立することで、市場成長に対応した事業強化を目指す。
 龍山三井化学は当初、アクリルアマイドの販売で営業を開始するが、同社では技術、人材、マーケティングノウハウなど経営資源を積極的に投入、2003年に龍山化学のアクリルアマイド製造事業を龍山三井化学に分離統合、資本金を25億ウオンに引き上げる。
 また現在、龍山化学は供給力不足の状況であるため、同社が独自開発したバイオ法製造技術による新設備を2001年末完成予定で建設、龍山三井化学への製造統合時点の能力は1万2,000トン体制となる。
 同社のバイオ法製造技術は、遺伝子組み換え技術による高性能菌体触媒とそれに伴う大幅簡素化されたプロセスに特色を持つ。この高性能菌体触媒は、既存のバイオ法と較べ高活性で、高品質高濃度(50%)なアクリルアマイドの直接生産が可能となる。
 その結果、既存法と較べプロセスの大幅簡素化、プロセス廃水、廃棄物の大幅削減を実現、コスト競争力の強化と簡易安全運転も可能にする。
 同社ではバイオ法製造技術を、アジアにおける同事業計画を推進する上で積極的に活用していくとしている。また、現有の4拠点を最大活用、アジア市場の成長に迅速に対応するとともに、新拠点構築を目指した市場開拓に最大限活用していく方針。

<新会社概要>
社名  :龍山三井化学株式会社(YONGSAN MITSUI CHEMICALS,INC.)
資本金 :設立時(2000年7月)10億ウオン
     統合後(2003年1月)25億ウオン
出資比率:三井化学 50% 龍山グループ 50%
主要役員:社長 金基俊(龍山) 副社長 牛嶋毅(三井)
本社  :韓国ソウル特別市
事業内容:設立時 アクリルアマイド販売
     統合後 アクリルアマイド製造販売
生産能力:統合後 年産1万2,000トン

<参考>
龍山化学株式会社概要
資本金:60億ウオン
出資比率:龍山グループ 50% 三井化学37% トーメン13%
主要役員:会長 金徳門(龍山) 副会長 内藤兵衛(三井)
     社長 金基俊(龍山) 副社長 牛嶋毅(三井)
本社  :韓国ソウル特別市
工場  :蔚山市
事業内容:アクリルアマイド、無水マレイン酸、フマール酸 製造販売
生産能力:アクリルアマイド 7,000トン
     無水マレイン酸 3万8,000トン
     フマール酸 6,000トン