2020年05月21日
理研・産総研 細胞培養用デバイスをタンパク質で作製
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理化学研究所(理研)と産業技術総合研究所(産総研)のバイオ共同研究グループは21日、タンパク質のアルブミン(血清)を原料として、シリコーンゴムの鋳型で型取りして、細胞培養用の微小デバイスを簡単に作製することに成功したと発表した。

同研究成果は、微小デバイスの理解だけでなく、微小デバイスを用いた細胞培養により、微小環境が細胞に与える影響や、細胞と細胞接着基材表面のタンパク質との相互作用の理解に貢献すると期待できる。

今回、共同研究グループは、「細胞パターニング」用のデバイス作製にあたり、真空吸引を利用してさまざまな溶液の鋳型への流れ込み方について調べた結果、鋳型に流れ込む溶液の量は溶液の粘性には依存せず、多様な溶液を使用できることが分かった。さらに、産総研が開発した「架橋アルブミン」水溶液を用いたところ、1日以内に細胞パターニング用の微小デバイスが作製でき、そのデバイスは7日間の細胞培養に耐えられることが分かった。

同研究成果は、科学雑誌「PLOS ONE」(日本時間5月21日)に掲載される。


<用語の解説>

◆アルブミン :血清アルブミンのこと。分子量約66,000の安定な可溶性タンパク質で、血液中のタンパク質の約60%を占める。血液の浸透圧調整の役割を担う。タンパク質の標準物質として広く研究に用いられている。

◆細胞パターニング :培養皿の上など、細胞が接着する基材表面で、化学的な表面処理などにより、細胞が接着する部分と接着しない部分に分画し、細胞の接着エリアを制御する技術。近年発達している一細胞レベルでの解析や大量の細胞解析といった最先端細胞科学の発展には欠かせない。例えば、細胞を定位置に置くことで観察のハイスループット化を可能にする。


ニュースリリース
https://www.riken.jp/press/2020/20200521_2/index.html