2020年11月24日
JNC、農工大とコロナウイルス迅速検出に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:なし

JNCと東京農工大学 大学院工学研究院の池袋一典教授は24日、共同開発した迅速-高感度免疫診断技術(アプティア(AptIa)法)を用いて、新型コロナウイルス(S 抗原タンパク質)の迅速・高感度検出に成功したと発表した。

JNCの特許技術である熱応答性磁性ナノ粒子「サーマ・マックス(Therma-Max)」と、池袋一典教授が開発した抗原認識試薬(DNA アプタマー)を検体と混ぜ合わせることで、安価(抗体利用時の1/2~1/10 程度)で短時間(ELISA 法の1/2~1/3 程度)かつ高感度(ELISA 法の1~10 倍程度)に抗原を検出(濁度)することが可能となる。

◆AptIa 法による抗原検出の特徴

従来の抗原検査キットには抗原認識試薬(抗体)が2種類必要だが、AptIa 法は1種類のDNA アプタマーで抗原を検出できる特徴がある。

さらに、インフルエンザウイルスに結合するDNA アプタマーを併用することで、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時検出が可能となる。計測には濁度計を用いるため、モバイル化も可能だ。

DNA アプタマーはモノクローナル抗体と異なり、迅速な分子設計と人工合成が可能なため、変異を繰り返す新型コロナウイルスへの対応(診断)も見込むことができる。

今後は実用化に向けて診断薬メーカーをはじめとする共同研究先を広く募集し、早期の商品化を目指す方針だ。


ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1606184723.pdf