2020年12月21日
理研、DNAバーコードの1分子空間解析 手法を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

 理化学研究所 開拓研究本部の新宅博文チームリーダー、東京大学大学院 理学系研究科の上村想太郎教授らの研究チームは18日、「DNAバーコード分子」の配列を1分子単位で識別、空間分布情報を取得する手法を開発したと発表した。

 同研究成果は、従来の遺伝子空間分布解析をより高精度にするもので、基礎生物学だけでなく病理解明など医学分野への貢献が期待できる。

 これまで、次世代シーケンサーを使った遺伝子発現解析は、遺伝子の量(数)を計測するだけだったが、DNAバーコード分子を活用することで、遺伝子の位置情報を同時に取得できるようになった。
 
 だが、これにも遺伝子が細胞のどの位置に存在するかを知るには、空間分解能が不十分という難点があった。

 今回、研究チームは全反射蛍光顕微鏡と送液装置を組み合わせることで、DNAポリメラーゼによる「1分子シーケンス反応」を実現する、次世代シーケンサーを独自に構築し、DNAバーコード分子の情報(配列および位置)を1分子単位で取得することに成功した。
 
 今後、細胞内の遺伝子分布情報を網羅的かつ1分子空間解像度で取得することにつながると考えられる。
 同研究は、オンライン科学雑誌「Communications Biology」(12月18日付)に掲載された。


■DNAバーコード分子 :
それぞれ異なる配列を持つDNA分子(DNAバーコード分子)を、目的の核酸分子(DNAやRNA)の一つ一つに付加することで、核酸分子の数をデジタル的に正確に計測できる。