2021年04月07日
理研、新たな骨の難病とその原因遺伝子を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 生命医科学研究センター 骨関節疾患研究チームの池川志郎チームリーダーらの研究グループは7日、新たなタイプの骨の難病である「Ikegawa型頭蓋管状骨異形成症」を発見し、その原因遺伝子TMEM53を同定したと発表した。

同研究成果は、骨の希少遺伝病や難病の治療法の開発、および骨形成シグナルの核膜での制御機構の解明につながると期待できる。

池川志郎チームリーダーらは、遺伝性難病の医療と研究のために「骨系統疾患コンソーシウム」を設立し、原因遺伝子が未知の骨関節難病の臨床データを全世界から収集してきた。

今回、研究グループは、収集データの中に新たな疾患だと考えられる特徴的な骨格異常を持つ4家系5人の患者を発見した。全エクソームシーケンス解析により遺伝子変異を探索したところ、患者全員がTMEM53遺伝子の両方の対立遺伝子座位(アレル)に遺伝子の機能喪失を引き起こすと考えられる変異を持つことが分かった。

TMEM53は細胞内の核膜外層に存在するタンパク質だが、その機能やヒトの骨格形成における役割はこれまで分かっていなかった。

同研究成果は、科学雑誌「Nature Communications」オンライン版(4月6日付)に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.riken.jp/press/2021/20210406_4/index.html