2021年09月06日
理研「休眠中の卵胞が目覚める必要条件を発見」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

 理化学研究所 生命機能科学研究センターの高瀬日奈子研究員らは6日、「休眠中の卵胞かが目覚める必要条件を発見した」と発表した。

 哺乳類のほとんどは、卵子のもとになる卵母細胞が出生前につくられ、その後新たにつくられることはない。卵母細胞は成長を開始するまで「原始卵胞」の状態で眠っている。高瀬研究員らは今回、眠っている原始卵胞が目覚めて活性化するのに必要なシグナルを発見した。今後、不妊治療などに役立つ可能性があると期待される。

 卵母細胞は一つずつ、その成長を助ける特殊な細胞に包まれており、卵胞と呼ばれる構造をしている。ヒトの場合、初めの頃には卵巣に約30万個の原始卵胞があると考えられている。その中から毎月数百個が目覚め、成熟に向けて成長を始める。成熟した卵子になって排卵されるのは基本的に毎月1個だ。

 卵母細胞を包む細胞は「顆粒膜細胞」と呼ばれる母体側の体細胞であり、次世代をつくる卵母細胞に栄養分などを供給する。原始卵胞の時点では、まだ顆粒膜細胞になっていない前顆粒膜細胞の状態で扁平形をしている。

 前顆粒膜細胞は、活性化し成長すると立体的な形へと姿を変え、卵母細胞の成長を助けることができるようになる。卵母細胞の活性化や成長のタイミングが合わないと成熟した卵子はできない。しかしどのように前顆粒膜細胞が活性化されるのか、これまでは分かっていなかった。
 

(以下、ニュースリリース参照)
https://www.riken.jp/pr/closeup/2021/20210906_1/index.html