2021年09月24日
北大、触媒ビッグデータから「触媒世界地図」描写
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院の髙橋啓介准教授(理学部)らの研究グループは24日、北陸先端科学技術大学と共同で、触媒ビッグデータから触媒の知識を表現した「触媒世界地図」を描写したと発表した。

 これまでグループは、多数の触媒データを自動取得可能なハイスループット実験装置により、メタン酸化カップリング反応における触媒ビッグデータ(6万件)の構築に成功したが、この規模の触媒データからどのように知識を抽出し触媒設計に結びつけるかが触媒インフォマティクス上の課題だった。

 今回メタン酸化カップリング反応におけるハイスループット実験装置で得られた触媒ビッグデータに対して、オントロジー(知識の関係性をネットワークとして記述)の概念を活用し、触媒ビックデータから元素組成・実験条件・C2収率等の関係性を描写し、触媒の世界地図を作成することに成功した。
 
 この触媒の世界地図により各要件の関係性が明白となり、そこで得られた情報から触媒設計が実現した。

 同手法は触媒ビッグデータや材料ビッグデータにも適用できるため,大規模な科学データからの材料・触媒設計の技術基盤になることが期待される。
 
 同成果は,9月22日「Chemical Science」誌にオンライン公開された。


ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210924_pr.pdf