2021年10月12日
富士フ、AI活用し超音波診断装置のノイズ除去
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:富士フイルムヘルスケア

 富士フイルムヘルスケア(本社:東京都港区、山本章雄社長)は12日、超音波診断装置の画質を大幅に向上させるノイズ除去技術を開発したと発表した。
 
 AI技術を活用してエコー信号とノイズを区別し、診断に必要な信号を選択的に抽出することができる。この新しいノイズ除去技術により、体内深部からの信号が弱く診断が難しかったケースでも高画質な画像を提供できる超音波診断装置を実現した。今後、より正確な超音波検査を支援していく方針だ。

<技術の特長>
(1)小さな特徴の違いも逃さない、AI技術とRAWデータとの組み合わせ
 特徴の似ているスペックル信号と電気ノイズを区別する目的で活用したのが、映像化処理する前のエコー信号のデータ(RAWデータ)と、小さな特徴の違いを高精度に認識できるAI技術。超音波診断装置上の映像は、信号処理や画像処理の過程で本来エコー信号に含まれる様々な情報が圧縮された状態で構築される。このRAWデータに対し、AI技術を適用することで、超音波画像から不要な電気ノイズを効果的に除去することに成功した。

(2)AI技術を活用したノイズ除去処理の最適設計
 装置のノイズ除去処理を最適に設計する環境を、AI技術を活用して構築した。超音波検査では、検査者が超音波プローブを動かしながら画像を確認するため、リアルタイムに画像を表示する必要がある。このリアルタイム性を維持しながら情報量の多いRAWデータを処理するには、装置の計算量を抑える処理の効率化が求められる。AI技術を活用して高いノイズ除去性能と超音波診断装置に求められるリアルタイム性を両立させた。スペックル信号を維持しながら、超音波画像診断に不要な電気ノイズを除去する技術を、AI技術を活用して開発した。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1634008683.pdf