2022年05月31日
三井化学、軟質ウレタンをケミカルリサイクル
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学とマイクロ波化学(大阪府吹田市、吉野巌社長)の両社は、マイクロ波技術を用いて、マットレスなどに使用される軟質ポリウレタンフォームの廃材を分解し、直接原料にケミカルリサイクルする技術の実用化を目指した取り組みを開始した。

 軟質ポリウレタンフォームは、マットレス、自動車座席シートや椅子などのクッション材から日用品、工業製品、産業資材まで幅広い用途をもっているが、国内ではケミカルリサイクルが行われた例がなく、サーキュラーエコノミーの観点から技術の開発・実用化が課題となっていた。

 今回、マイクロ波化学の有するマイクロ波プラスチック分解技術 ”PlaWave ”を用いることで、軟質ポリウレタンフォームを分解が従来技術よりも消費エネルギーの大幅な低減や2倍以上の分解速度向上が期待できる。効率化により低コストで再生エネルギー由来の電気にすることができるため、CO2排出量の削減にも貢献する。

 初期検討で良好な結果を得たため、22年度内にマイクロ波化学のベンチ設備での小型実証検証を行い、実用化に向けた検討を進める。23 年度に実証試験を開始し、2025 年度までの事業化を目指す。またこれと並行してリサイクルのバリューチェーン全体を巻き込んだビジネスモデルを構築しサーキュラーエコノミーの実現を目指す。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1653967319.pdf