2022年06月14日
東大など、生命現象を赤色光でコントロール 新技術開発
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 東京大学 大学院総合文化研究科の佐藤守俊教授らの研究グループは14日、神奈川県立産業技術総合研究所および理化学研究所、東京都立大学などとの共同研究により、生体組織透過性が極めて高い赤色光で生体深部の生命現象を操作できる光スイッチたんぱく質(Mag Red:マグレッド)の開発に成功したと発表した。生命現象を赤色光でコントロールできる基盤技術を開発した。

 光スイッチたんぱく質は、細胞内や生体内のさまざまな生体分子の機能を光で操作するための基盤技術となるツール。赤色光による光スイッチたんぱく質はすでにいくつか報告されているが、哺乳類にはない色素の添加を要する点や光制御能が著しく低い点、汎用性がない点など、大きな課題が残されていた。
 
 今回の研究で開発したMag Redは、外来性の色素の添加を必要とせず、赤色光のON・OFFのみで極めて高い制御能を持つともに、その高い汎用性により、遺伝子発現やDNA組み換え反応の光操作を実現した。
 
 この新しい赤色光スイッチたんぱく質は、生命現象の光操作の応用可能性を大きく広げ、生体深部における生体分子や遺伝子の機能解明への展開につながると期待される
同研究成果は、英国科学誌6月13日付「Nature Biotechnoiogy」(オンライン版)に掲載された。

ニュースリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220614/pdf/20220614.pdf