2022年10月24日
京大、イネがいもち病菌を見つける「目印」の構造解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学 農学研究科の寺内良平教授、(公財)岩手生物工学研究センターの藤﨑恒喜主任研究員らの研究グループは21日、英国のJohn Innes Centerなどと共同で、イネがいもち病菌を外敵として見つけるときに「目印」とするタンパク質複合体の構造を解明したと発表した。
 
 国内で広く栽培されている「ひとめぼれ」などのイネ品種は、Piiといういもち病抵抗性タンパク質を持っている。Piiはイネいもち病菌が分泌するAVR-Piiというタンパク質を見つけ出して、いもち病菌の侵入を察知し、その感染を阻止する反応を誘導する。しかし、具体的にイネの細胞内でAVR-Piiタンパク質がどのように認識されるのかは不明だった。

 イネいもち病菌がイネに感染する時に分泌するAVR-Piiタンパク質は、イネのタンパク質であるOsExo70F2/F3と結合してイネの細胞が抵抗性を発揮する為の働きを撹乱することにより、感染を手助けしていると考えられている。一方イネは、Piiタンパク質を使って、このタンパク質との複合体を認識することにより、いもち病菌の侵入を察知し、その感染を抑制する反応を引き起こす。
 
 寺内教授らの研究グループは、今回の研究で、いもち病菌の感染拡大および抵抗性誘導の両方において鍵となるOsExo70F2/AVR-Pii複合体をタンパク質の構造レベルで解明した。これにより、イネがいもち病菌を外敵として認識する際の分子構造が明らかとなり、より広範で効率的ないもち病菌抵抗性タンパク質を開発・改良する上での重要な基盤情報を得ることができた。

 本研究成果は国際学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of USA」(10月18日)にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-10/221021_terauchi-f7841d8822bc6acb185337ca0a0bfe2a.pdf