2022年12月05日
京大、不眠症薬結合/オレキシン受容体 構造解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学 医学研究科の浅田秀基特定准教授らはこのほど、千葉大学、関西医科大学と共同で、不眠症治療薬であるデエビゴ(一般名:レンボレキサント)が結合したオレキシン2受容体(OX2R)の立体構造を解明したと発表した。

 OX2Rは、オレキシンAやBと呼ばれる神経ペプチドと結合することで睡眠、覚醒サイクルを維持・制御する重要な受容体。そのため、OX2Rは不眠症治療薬の重要な標的となっている。これまで、不眠症治療薬であるベルソムラ(一般名:スボレキサント)が結合したOX2Rの構造は明らかになっていたが、レンボレキサントが結合した構造は未知のままだった。
 
 今回、レンボレキサントとスボレキサントが結合した構造を比較することで、不眠症治療薬の効果の違いを分子レベルで明らかにすることに成功した。今回の結果は、治療効果の違いを立体構造から明らかにし、不眠症治療薬の効果的な設計に対する理解をより深めることが期待される。今後はこの結果を基に不眠症の分子メカニズムの詳細を明らかにしていく方針だ。
 同研究成果は11月22日に、国際学術誌「Structure」にオンライン掲載された。
 
ニュースリリース参照
https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-12/221202_iwata-7e024f9797f7ad393905e460fc1fa300.pdf