2023年01月04日
年頭あいさつ 日本化学工業協会会長 福田 信夫
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げますとともに、年頭にあたりご挨拶申し上げます。
 世界経済は、ウクライナ問題やエネルギー危機、金融引き締めなど様々な問題の影響で減速傾向にあります。日本経済への影響も多大で、一部需要に弱さがみられる業種もありますが、行動制限の緩和による対面型サービスやインバウンド需要の回復などにより、全体的に景気は緩やかに持ち直してきています。先行きは未だ不透明で、決して楽観視できる状況ではありませんが、化学産業は、便利で豊かな生活に不可欠な製品を供給し続け、社会の諸課題を解決するイノベーションに積極的に取り組むことで持続的な成長を目指します。

 持続可能な社会を実現するための大きな目標の1つは、カーボンニュートラルです。化石燃料からクリーンエネルギーへ転換し、経済社会システム全体の変革を図る“グリーントランスフォーメーション(GX)”は、GX実行会議で検討が進められるなど、企業や政府の取り組みも本格化しています。

 化学産業は、CO2多排出産業である一方、イノベーションを通じてサプライチェーンの川下の産業や社会に対して新たなソリューションを提供することができる産業です。燃料転換、ケミカルリサイクルやCO2の原料化などの炭素循環を含む原料転換など、カーボンニュートラル実現に資する取り組みを加速させていきます。

 目標の2つ目は、循環型で持続性のあるプラスチック社会の構築です。2015年以来、海洋プラスチックが問題となり、昨年プラスチック資源循環促進法が施行されました。世界的には、国連の主導のもと、プラスチック汚染の終結を目指す国際条約を策定することが決議され、今後内容について検討が行われていく予定で、多国間交渉が開始されました。

 日化協は、JaIME(海洋プラスチック問題対応協議会)の活動の一環で、廃棄物管理のノウハウを伝承する研修を行うなどアジア諸国に対する支援に取り組んできた実績を活かし、ICCA(国際化学工業協会協議会)を通じて、プラスチックの有用性やライフサイクル全体での対策の必要性を提唱し、リサイクルしやすい製品設計や廃棄物管理インフラの整備など、国ごとの事情を踏まえた柔軟で実効性のある枠組みが構築されるよう議論に貢献してまいります。

これらの目標を達成するため、環境価値が理解される社会の醸成も重要なミッションです。化学製品の環境負荷削減への貢献度を明確にするため、cLCAなどライフサイクル全体での定量的評価も進めてまいります。

最後に、化学産業の継続的な発展の根幹となるのは「安全・安心」です。安全文化醸成のため、過去の労働災害データから、発生件数が多い事故や理由を分析し、「産業安全塾」として講義を開催しています。その他、レスポンシブル・ケア活動をはじめ、各種研修・セミナーを通じて、今年も事業基盤を支える取り組みの支援を続けていきます。

今年一年の皆様のご隆盛とご発展を心から祈念いたしますとともに、当協会の活動・運営にこれまでと変わらぬご理解・ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。

ニュースリリース
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