2023年01月10日
東北大、太陽光発電とEV併用でCO2排出を76%削減
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学大学院 環境科学研究科の小端拓郎准教授らの研究グループは5日、屋上に設置した太陽光発電(PV)と、電気自動車(EV)を組み合わせて経済性の高い脱炭素化を実現する「ソーラーEVシティー」構想を提案するとともに、インドネシアのジャカルタで実証を開始した。発展途上国での効果確認は初めて。

 研究は現地の研究者らと協力し、ジャカルタ市内の屋根上PVとEVを蓄電池として活用することによる脱炭素化効果を分析した。
 
 その結果、ジャカルタにおいて、屋根上PVの活用は、PVのコスト下落に伴い2030年には8ー15%程度のエネルギー経費の削減につながることがわかった。さらにEVを蓄電池として活用することで、自動車の運転に伴うCO2排出の76%から77%のCO2排出削減につながると同時に、エネルギーコストの33ー34%の削減効果が期待できることを確認した。
 
 また低緯度地域にあるジャカルタは、太陽の正中高度が年間を通じて大きいため、屋根の角度や方位によってPVの発電量があまり変わらず、地理的な条件がPV施設の経済性にプラスに貢献することもわかった。
同研究成果は、オランダの専門誌「Applied Energy」に、2022年12月14日(木)にオンライン掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20230105_01web_pv.pdf