2023年01月25日
北大、下水中から新型コロナ感染予測モデル開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学工学研究院の北島正章准教授らの研究チームは23日、下水中から新型コロナウイルスを高感度で検出する技術と数理モデルを組み合わせ、下水疫学に基づく新型コロナ感染者数の予測手法を確立したと発表した。

一般に、感染者は発症前にウイルスを下水中に排出するため、下水中のウイルス濃度データは感染者数の先行指標になると考えられる。

 北島准教授らはこれまで、塩野義製薬と共同で下水中ウイルス高感度検出手法(EPISENS-S法)を開発し実用化してきたが、今回、これを改良しさらに安定的で高感度なウイルス検出法を開発した。感染者数の予測についても独自の数理モデルを構築した。
 
 札幌市で2年以上にわたり同法で流入下水中のウイルス濃度を測定し、予測精度を検証したところ、採水日から5日後までの新規報告感染者数を高い精度で予測できることが実証された。今後、感染者の定点把握移行後の感染動向予測手法として活用が期待できる。
 同研究成果は23年1月7日公開の「Environment International」誌にオンライン掲載された。

(詳細)
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230123_pr3.pdf