2023年03月02日
京大、半導体ポリマーで太陽電池高効率化に成功
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学工学部の大北英生 教授(高分子化学)は1日、広島大学、高輝度光科学研究センターなどと共同で、有機薄膜太陽電池(OPV)の発電材料である有機半導体の高結晶化によりエネルギー変換効率の向上に成功したと発表した。

 「塗って作れる」次世代太陽電池のOPVは、近年カーボンニュートラル実現に向けて重要な太陽光発電技術として近年注目されている。だが、実用化には、エネルギー変換効率の向上が大きな課題となる。そのためには、発電層に用いる有機半導体を結晶化させることが重要。今回、研究チームは、広島大学が開発した2種類のp型有機半導体(半導体ポリマー)と、4種類のn型有機半導体を用い、それぞれを組み合わせて作製したOPVの発電特性を系統的に調査することで、どのような性質をもったp型とn型有機半導体を混合すればうまく結晶化するのか見出すことに成功した。
 
 その結果、うまく結晶化した半導体ポリマーを用いたOPVは、結晶化できなかった半導体ポリマーを用いたOPVに比べて約2倍高い変換効率を示すことを見出した。

本研究成果は、2023年2月23日にWiley社の科学誌「Advanced Energy Materials」にオンライン掲載された。

ニュースリリース
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/research/topics/20230301