2023年03月27日
積水化、JERAとペロブスカイト太陽電池 共同開発
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業は27日、JERA(ジェラ:小野田聡社長)と、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための共同実証実験を24日から開始したと発表した。横須賀火力発電所(神奈川県)と鹿島火力発電所(茨城県神栖市)に設置し、発電性能や耐塩害性能、防汚性能などを実証する。

 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟などの特長をもち、従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への設置が可能。このため2050 年の脱炭素社会実現に向けて、再生可能エネルギー確保の有力な手法として期待されている。

 同社は、独自開発の「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、開発のカギとなる屋外耐久性で 10 年相当を確認した。すでに30cm 幅のロール・ツー・ロール製造プロセスにより、発電効率 15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しており、さらなる耐久性や発電効率の向上、1m 幅の製造技術の確立に向けて開発を加速中だ。

 JERA は先に掲げた「JERAゼロエミッション2050」の中で、再生可能エネルギーと発電時に CO2 を排出しないゼロエミッション火力によって、2050 年には CO2排出の実質ゼロに挑戦している。
 
 同社は2025 年には、自社の再エネの発電容量を 5GWとする計画。今回の火力発電所を対象としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証試験は日本初の事例となる。
 

<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1679891706.pdf