2023年04月24日
東北大、ストレスと精神症状個体差 記憶に由来
【カテゴリー】:ファインケミカル
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 日常、私たちが受ける精神的ストレスには大きな個人差(個体差)があるが、その原因は未解明だった。
 東北大学薬学部の佐々木拓哉教授らは、脳のメカニズムとして「海馬の記憶」に着目し、精神的ストレスに曝されたマウスから、海馬の脳波を記録した。その結果、ストレス負荷を経験した後に、さらにその記憶を脳内に固定するために重要な脳波を多く発生させたマウスほど、うつ様の精神症状を生じやすいことがわかった。

 また、こうしたリップルの発生頻度を、ストレス後の運動などによって軽減すると、精神症状の発症が抑制されることもわかった。これを抑制するには、運動が効果的(気晴らし効果)だった。

 本研究成果は、ストレス応答性の精神症状を記憶能力や性格傾向の側面から考える重要な契機となる。また、運動が精神衛生上の良い効果をもたらす理由を説明できる研究成果であり、ストレスやこころの状態を考える契機となる。さらに検証を重ねることで、現代社会の精神衛生の向上への寄与も期待できる。
 同研究成果は、2023年4月20日に「Nature Communications」誌に掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv_press0421_01web_stress.pdf