2023年05月22日
北大など、新型コロナ株の免疫誘導ワクチン開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学、 大阪公立大学などの研究グループは22日、細胞膜表面に新型コロナウイルス受容体結合ドメイン(RBD)を発現するレプリコン(次世代 mRNA)ワクチンを開発したと発表した。新型コロナウイルス S タンパク受容体結合ドメイン(RBD)を細胞膜上に発現させるレプリコンワクチンをデザインし開発した。

 同研究で、このレプリコンワクチンの免疫は、霊長類モデルにおいて効率的にT細胞およびB 細胞応答を誘導することが分かった。武漢株またはガンマ株 RBD で免疫したハムスターと霊長類は、新型コロナウイルス武漢株に対する防御効果を示した。
 
 また、変異株に対する RBD 特異的な抗体が、霊長類モデルで少なくとも12カ月間維持されることが分かった。これらの結果から、このレプリコンプラットフォームは、今後のコロナウイルス変異株に対して持続的な免疫を誘導する有用なワクチン候補となり得ると考えられる。
 
 同成果は、今後の変異株に対するワクチン開発戦略としてだけでなく、他のパンデミック病原性ウイルスに対する基盤技術としての応用可能性が期待される。
 同研究成果は5月19日、英科学誌 Nature Communications(電子版)で公開された。
 
ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/230522_pr.pdf