2023年05月22日
産総研、廃棄物内のバッテリー有無を自動判別
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

 産総研エネルギー・環境領域研究企画室の研究グループは22日、廃製品・廃棄物の内部を透視する透過X線と複数のAI(深層学習ネットワーク)によるバッテリー検出プログラムとの組み合わせで、高精度かつ網羅的にバッテリーを自動検出するシステムを開発したと発表した。透過X線とAIの組み合わせによって実現した。

 リサイクル施設で、作業員は手作業で実施している廃棄物内部のバッテリー有無の判断を自動化できる。処理の速さと精度を向上させ、バッテリー誤破砕による火災発生の防止にもつながる。

 産総研は、戦略的都市鉱山研究拠点(SURE)のメンバーの企業とともに、小型デジタル家電を対象とした、自動・自律型リサイクルプラントの開発を進めてきた。スマートフォンやタブレット端末を自動解体するにあたっては、内蔵されているバッテリーを傷つけないことが肝要だが、製品によって内部構造が千差万別なため、非破壊で内部構造を把握する必要があった。

 研究グループは今回、透過X線によりスマートフォンまたはタブレットの内部構造を透視し、その画像をAIで分析してバッテリーを把握する技術を開発した。今回、その技術を応用し、スマートフォンやタブレットだけでなく、さまざまな品目の廃製品に内蔵されたバッテリーを検出する技術も開発した。

 なお、研究開発に当たっては、NEDO「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業」の支援を受けた。

ニュースリリース
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230522/pr20230522.html