2023年06月22日
凸版印刷、三菱ケミなど3社、包装材再生実証へ
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:三菱ケミカル

 凸版印刷、三菱ケミカルグループ、共栄社化学(大阪市、片岡清夫社長)の3社は22日、包装材料の製造工場から排出される廃プラスチックの水平リサイクルを目的とする、マテリアルリサイクル生産プロセスの実証試験を開始すると発表した。

 今回開発するリサイクル技術は、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨・分離し、素材別の樹脂として取り出すことが可能で、分離して取り出したそれぞれの樹脂は、品質劣化が少ない。このためリサイクル樹脂として洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品や食品の包装材に使用するフィルムの原料としての利用を検討中だ。3社は、マテリアルリサイクルされたプラスチックフィルムの生産プロセスを開発し、2027年度の社会実装を目指す。

■3社の役割
・凸版印刷
  自社工場で排出される廃プラスチックを供給し、剥離・脱墨するための最適条件を探索すると共に、再生樹脂の性能評価を行い包装材に使用可能かどうかの判断を行う。また将来の社会実装に向けて樹脂再生を行うと共に、再生樹脂を用いた包装材のマーケティングを行う。

・三菱ケミカルグループ
 グループの総合力を活かして、剥離・脱墨・分離のプロセス検証を行うための原理検証機の仕様、設計、製造を行う。中でも再生樹脂を単一素材の樹脂に分離する設備を導入、検証する。さらに包装用フィルムの製造ノウハウを活かし、将来の社会実装に向けて、ポリアミド、ポリオレフィンの再生原料を使用した包装基材の作製とその性能評価を行う。

・共栄社化学
 モノマー・オリゴマー・ポリマー製品の開発・製造技術、及び、調合技術を活かして自社開発した薬剤を用いて、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨するプロセスの確立・最適化を行う。将来の社会実装時には薬剤製造だけでなく、使用済み薬剤を再生する技術も構築し、本技術の幅広い普及を担う。