2023年09月26日
出光と商船三井、海洋プラ再資源化へ実証開始
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産と商船三井は26日、海洋プラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始すると発表した。
 商船三井グループで曳舟業などを営む日本栄船(神戸市中央区、田村啓造社長)は、タグボート基地として利用している広島市営桟橋に海洋浮遊ゴミ自動回収装置「Seabin(シービン)」を設置済みである。今回の実証では、この回収装置「Seabin」を利用して、回収した海洋プラスチックを原料に出光子会社のケミカルリサイクル・ジャパン(東京都中央区、岡村仁彦社長)が、油化ケミカルリサイクル技術を用い生成油を生産する。

 出光は生成油が石化製品や燃料油原料として利用可能かを確認するとともに、再資源化の実現可能性を検証する。将来的には、海洋プラ由来の生成油を原料に現有の石油精製・石化装置を活用して「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」の生産を目指す。同社はまた2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けて、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。

 商船三井グループは、環境戦略の中で「海洋・地球環境の保全」をサステナビリティ課題の一つに掲げ、その目標とアクションを示すため「商船三井グループ環境ビジョン2.2 」を定めている。海洋プラスチックごみの回収など海洋環境保全だけでなく、気候変動・生物多様性の保護など地球環境への負荷低減にグループ一丸となって取り組む方針だ。