2023年10月24日
九大、熱帯森林管理の効果を検証
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 九州大学大学院農研究院の溝上展也教授、森林総合研究所の御田成顕主任研究員らの研究グループは23日、カンボジア全域を対象とした分析により住民参加型森林管理実施地域とそれ以外の地域で森林の面積や質にどのような差があるか検証した。

 その結果、住民参加型森林管理を行う地域内では地域外と比べて森林面積の減少および森林の質の劣化を抑制することがわかった。

 住民参加型の森林管理が熱帯林の面積の減少を抑制することは知られていたが、森林の品質劣化を抑制できるかまでは不明だった。カンボジア全域を対象とした今回の研究で、住民参加型の森林管理が熱帯林の品質の低下を抑制することを明らかにした。
 
 ただ、これらの効果は住民参加型森林管理を始めた年よって異なり、新しくできた住民参加型森林管理実施地域ほど森林の減少や劣化の抑制効果が低いこともわかった。今回の発見は熱帯林を保全するための適切な森林管理の提言に役立つと期待される。
 同研究成果は米国のオンライン科学誌「PNAS Nexus」に9月28日速報版が掲載された。