2024年01月23日
理研、アンモニア合成を温和な条件で実現
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 理化学研究所と東京大学、北海道大学の共同研究グループは23日、6 原子程度から成る金属クラスターが無数の細かい穴(細孔)に取り込まれた触媒を創製し、これを用いて大気中の窒素分子からアンモニア(NH3)を低い温度でも持続的に合成することに成功したと発表した。

 この研究成果は、極微サイズの金属クラスターの新しい合成手法を提案し、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア燃料の合成を温和な条件下で可能にするもので、省エネや脱炭素社会への貢献が期待される。

 共同研究グループは、モリブデン(Mo)の金属クラスターにハロゲンを配位した化合物を細孔のある多孔質担体に取り込ませ、1気圧の水素雰囲気下で加熱処理するという簡便な方法でハロゲン配位子を全て外し、大きさ1ナノメートル(nm)以下の金属クラスター触媒を創製した。

 この触媒では複数の Mo 原子が協同的に働くことにより安定な N2 を効率的に切断でき、温和な条件で持続的にアンモニアを合成できる。
 同研究は、科学雑誌「Chemical Science」オンライン版(1月22日付)に掲載された。
 
ニュースリリース参照
ttps://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240123_pr2.pdf