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2024年12月13日 |
北大、マコンブの地域ごとの遺伝的特徴つかむ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:北海道大学 |
北海道大学水産科学研究院の水田浩之教授らの研究グループはこのほど、日本に生育するマコンブが地域ごとに特徴的な遺伝子型を持つことを明らかにした。 マコンブ( Saccharina japonica )は北朝鮮、極東ロシア、日本に分布する、水産的な価値の極めて高い海藻。日本では北関東から北海道にかけて分布しているが、分布地域ごとの遺伝的な特徴を調べた研究はなかった。 研究グループは、各地から収集した483個体について、ミトコンドリア遺伝子(7nad3-16S)の rDNA領域の配列を決定し、日本におけるマコンブの遺伝的地域性を調べた。 その結果、日本に生育するマコンブは地域ごとに特徴的な遺伝子配列を持つことが分かった。これを受けて、オンラインで公開されている塩基配列に基づいて、nad3-16S rDNA領域でマコンブの産地が推定可能か評価し、既往研究で使用された領域と比較して、より高解像で産地の推定が可能であることが分かった。 さらに、常磐地域である茨城県北部と福島県に不連続に分布するマコンブについては、遺伝的多様性が低いうえに、北海道や東北と共通した遺伝子型が検出されたため、国内移入によって形成された集団であることが示唆された。これらの成果により、原産地の虚偽表示の防止が期待できる。 なお、同研究成果は11月6日公開の「Journal of Applied Phycology」誌に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/241212_pr.pdf |