住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2025年01月29日
JSRなど、機械学習融合し高分子を自動設計
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:JSR

 JSRは29日、総合研究大学院大学、東京科学大学、統計数理研究所などの研究グループが機械学習と分子シミュレーションを融合した高分子材料設計ツール、SPACIERを開発したと発表した。さらに、実証実験として、屈折率・アッベ数の経験的な限界値を越える光学用高分子の合成に成功した。

 現在、さまざまな系を対象に材料を設計する機械学習技術の開発が進展している。特に、実験データの不足や機械学習の内挿的予測の限界を克服するために、第一原理計算や分子動力学計算などの計算機シミュレーションを統合した材料設計ツールが開発されている。だが、高分子材料系の計算機シミュレーションは、計算コストの高さや計算自動化の技術的課題が依然として大きな障壁となっており、機械学習・シミュレーション統合型の材料設計ツールの開発は十分に進んでいるとは言えない状況にあった。

 そこで統計数理研究所の研究グループは、高分子材料系の計算機シミュレーションを全自動化するPythonライブラリRadonPyを開発してきた。
 今回、このRadonPyをベイズ最適化に基づく高分子設計アルゴリズムに統合したオープンソースソフトウェアとしてSPACIERを新たに開発した。さらに、SPACIERに実装された多?的最適化アルゴリズムを?いて、屈折率とアッベ数のトレードオフが形成する経験的限界線を超える光学用高分子を設計し、その合成を実験的に実現した。
本研究成果は25年1月28日にnpj Computational Materials 誌に発表された。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1738127249.pdf





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