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2025年02月12日 |
産総研、世界初・メタンに寄生するバクテリア培養 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
産業技術総合研究所(産総研)とJAMSTEC(国立海洋研究開発機構)は12日、北海道大学、東北大学の研究グループと共同で、メタン生成アーキアに寄生する超微小バクテリアの培養に世界で初めて成功し、新属新種として記載したと発表した。 研究グループは、廃水処理システムなどで中心的な役割を担う微生物(メタン生成アーキア)に寄生するバクテリアを世界でいち早く発見している。今回その培養に成功した。この研究は、約40億年前に進化的に分かれ、細胞膜脂質や遺伝子情報などが生物学的に大きく異なるアーキアに寄生するバクテリアを培養した世界初の例となった。 このバクテリアには「ミニシンコッカス アーカエイフィルス(Minisyncoccus archaeiphilus)」と命名。寄生できる宿主の範囲が非常に狭く、宿主アーキア特有の部位にのみ感染することが観察された。さらに、この種がが属する未知バクテリア巨大系統群「Candidate phyla radiation (CPR)」を新門「ミニシンコッコータ(Minisyncoccota)」と命名した。 今後、CPRに関する研究が進み、これまで謎に包まれていたCPRバクテリアの生理や生態学的役割の理解が進むことが期待される。 なお、科学誌「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」(2月10日付)に同成果が掲載された。 |