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2025年02月20日 |
東レ、CO2排出削減へ高効率限外ろ過膜開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東レ |
東レは20日、CO2排出量を30%以上削減可能な高効率な下廃水処理向け限外ろ過膜を開発したと発表した。これまでの高い透水能力を維持したまま、RO膜の負荷を軽減し、長期間安定して良質な水を製造できる、高除去UF膜を開発した。 世界各地の水需要拡大に対し、持続的な水源を確保するため、UF膜とRO膜を組み合わせて下水や工場廃水を再利用するプロセスが急速に普及し、再利用水を飲料水や半導体製造に欠かせない超純水製造の水源にする取り組みがグローバルに始まっている。一方、従来のUF膜は、下廃水処理水に多く含まれる生物由来の有機物(バイオポリマー)の除去性が低いため、後段のRO膜の洗浄頻度が多く、薬液使用による造水コストやCO2排出量が多くなる課題があった。 東レは、10 ナノメートル以下の微小な細孔の形成過程を定量的に解析することで、高除去UF膜を設計した。この解析には、大型放射光施設「SPring-8」を用いて、膜構造の詳細を分析し、この分析を基に、ポリマー材料および製造プロセスを精密に制御することで、孔径の微細化と微細孔の増量を同時に実現し、従来にない高い除去性と透水性を両立するUF膜を創出した。2025年の中ごろをめどに、まず下水再利用年が進む北米での発売をめざし、日本を含むその他の国・地域に向けて順次展開していく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1740039157.pdf |