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CHEMNET TOKYO

2025年03月18日
北大など、温暖化はアオウミガメに悪影響
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:北海道大学

 国立環境研究所 生物多様性資源保全研究室の大沼学室長をはじめ北海道大学、岩手大学などの研究チームは17日、アオウミガメの生息地では地球温暖化による気温や海水温の上昇によってアオウミガメの培養細胞に影響が生じ、DNA損傷が誘発されていると発表した。アオウミガメは絶滅危惧種に指定されている。研究チームは今回、アポトーシスという自発的な細胞死に誘導されることを明らかにした。

 今回の研究は、地球温暖化による温度上昇が、アオウミガメに悪影響を及ぼす可能性があることを示した。また、アオウミガメが温暖化対策を進める上で優先順位が高い種の一つであることを、科学的に示した。
 
 オーストラリアのグレートバリアリーフやマレーシアでは、海水温の上昇により雄の出生比率の上昇が報告されている。温度そのものがアオウミガメの胚発生時に直接影響していると考えられる。

 本研究の結果は、アオウミガメが地球温暖化の影響を受けやすく、温暖化対策に取り組むべく優先順位が高い種であることを示唆している。アオウミガメに対する地球温暖化影響を最小化するために取りうる対策として、モニタリングの強化と、遺伝的多様性の保し全のための水族館などの飼育施設における高温域個体群の生息域外保全の推進が期待される。

 本研究の成果は1月14日にElsevier社の学術誌「Comparative Biochemistry and Physiology Part C: Toxicology & Pharmacology」に掲載された。





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