住友化学工業

CHEMNET TOKYO

2025年04月08日
三洋化成、生体組織修復医療材料で米国進出へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三洋化成

 三洋化成工業は8日、生体組織の修復・再生を促進する機能性タンパク質「シルクエラスチン」(商品名)の慢性創傷治癒に関する臨床試験で安全性と有効性に加え、治癒促進や感染リスクの低減といった優れた効果が確認され、その成果が科学誌「Scientific Reports」に掲載されたと発表した。
 同社は現在、薬事承認を申請中で、今後の米国市場展開を見た上で、FDA申請を行う方針だ。同社は一日も早い米国市場進出をめざし、米国で創傷治癒分野のマーケティングおよび販売を担うパートナー企業を模索している。

◇樋口章憲 三洋化成工業社長の話
 「Scientific Reports への論文掲載を通じ“シルクエラスチン”の有効性が科学的に認められたことを大変嬉しく思います。本材料は細胞親和性が高く、感染に対する抵抗性を兼ね備えた画期的な創傷治癒材料であり、難治性慢性創傷に対する新たな治療の選択肢となることが期待されます。日本市場の参入準備はすでに整っており、現在薬事承認を待っている段階です。加えて、米国展開に向けて戦略的パートナーを積極的に募っており、再生医療の発展というビジョンを共有できるグローバル企業との連携を強く望んでいます」。

<用語の解説>
◆シルクエラスチンとは :
 シルクエラスチンは、シルクフィブロイン(シルク由来のタンパク質)とエラスチン(人の皮膚に含まれる弾性タンパク質)を融合した遺伝子組み換えタンパク質。液状で塗布すると患部に密着し、シルクフィブロインの強度とエラスチンの弾性・細胞親和性を兼ね備えたゲルへと変化する。炎症を抑えながら組織の再生を促進する特性を持ち、従来の治療では困難だった組織の再生や治癒促進への応用が期待される革新的な素材。
 
ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1744080773.pdf





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