2002年02月25日
ケミカルプロセスの水素製造、国家プロジェクトに浮上
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日揮、環境省、経済産業省、NEDO

 燃料電池に使われる水素を天然ガスからケミカルプロセスの「メタン直接改質法」で製造する市川勝・北海道大学教授の技術開発、工業化計画が、国家プロジェクトとして浮上することになった。
 
 これは経済産業省、国土交通省、環境省が共同で燃料電池開発に向けたプロジェクトチーム(各副大臣で構成)をこのほど発足させ、現状把握を行った際、各省が代表的なプロジェクトとして取り上げたものの一つ。
 
 環境省は生ゴミなどからとれるバイオガスを利用した燃料電池、国交省は3月1日に開かれる国連大学の燃料電池車の国際シンポジウム、経産省は北海道での燃料電池活用型社会構築の方向性を対象とした。
 
 同プロジェクトチームは5月までに2~3回会合を重ねて民間や地方自治体を支援するような予算手当てを含めた燃料電池の開発支援策に反映させる。
 
 燃料電池自動車や定置用燃料電池などへの実用化を急ぎ、省エネルギー効果や新規産業育成、雇用創出を進めることになっている。
 
 北海道の天然ガスを原料とした水素製造計画は北大、北海道曹達、日揮、日本製鋼所などが共同で、NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)の資金援助をうけ、今年中の実証をめざして試験プラントを運転している。
 
 経産省では昨年8月に燃料電池実用化戦略研究会を開き2003~2004年の実用化をめざす各種プロジェクトを支援している。
 
 なお、メタン直接改質法はケミカルハイドライド法とも呼ばれるが、まず天然ガス(メタン)をゼオライト触媒(セラミックスの多孔質材料)に700~800℃の温度で通し、水素を製造する。この際、ベンゼンとナフタレンも並産されるが、水素との化学反応でシクロヘキサンとデカリンができる。いずれも常温で液体。したがって灯油のように輸送しやすく、シクロヘキサンとデカリンから水素をとるとベンゼンとナフタレンに戻るという循環型である。