2002年07月30日
食品添加物にビオチンなど新たに2品目を追加
薬事・食品衛生審議会の下部組織が意見書まとむ
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:厚生労働省

 厚生労働大臣の諮問機関である「薬事・食品衛生審議会」の食品衛生分科会は30日、毒性・添加物合同部会を開き、ビオチンとヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の2品目を新たに食品添加物に指定してよいかどうかを審議した。
 
 その結果、ビオチンについては、国立試験機関での様々な動物実験の結果などから、「安全性に特段の問題はないと考えられ、保健機能食品の範囲内で常識的な使われ方をする場合においてはその安全性は十分に確保できる」との点で意見の一致をみた。そして、「保健機能食品以外の食品に使用してはならないこと」を条件に、食品添加物に指定しても差し支えない、との見解をまとめ、厚生労働省に報告した。また、同物質の剤型については、「カプセルや錠剤等に限定するまでの必要性は低い」との判断も付け加えた。
 
 一方、HPMCに関しては、ADIの設定数値について意見が分かれたためこの問題での結論は明確に打ち出されなかったものの、「用途を保健機能食品に限定し、いくつかの注意喚起対策を取れば過剰な摂取は避けられると考えられ、保健衛生上の危害が発生するおそれは少ない」とする点では意見が一致した。このため「保健機能食品に係わるカプセル基剤および錠剤コーティング剤以外に使用してはならないこと」を条件に、同じく食品添加物に指定しても問題ないとの見解をまとめた。
 
 厚生労働省では、この日の審議結果についてパブリック・コメントを求めた上で、食品衛生分科会に諮って正式決定したい考え。