2010年08月17日
BPとシノペック揚子石化、南京で酢酸の生産開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:SINOPEC

(上海発=特約)

BPとシノペック揚子石化は8月5日、南京化学工業パーク(NCIP)で酢酸の生産を開始した。

  既報 2005年11月10日 BP/シノペックの酢酸JV設立
  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=17517

13.9億人民元を投じたもので、BPとシノペック揚子石化の50/50JVのBP YPC Acetyls Company (Nanjing) Ltd. (BYACO)が運営する。能力は年産50万トンで、BP Amoco がモンサント技術を基に開発したCativa 法を使用する。

2007年に建設を開始し、当初は2009年の生産開始の予定であったが、原料COの供給の遅れで遅延していた。

2008年7月に揚子石化はNCIPで天然ガスベースの合成ガス工場の建設を開始した。
Technipの天然ガス変性技術と Air Productsの深冷分離技術を使用して、CO 年産250千トン、水素36.8千トンを生産し、2009年下期にCOを酢酸原料として供給する計画であった。
しかし、このプラントは本年7月末にようやくオンスペックとなった。

BYACO では酢酸は中国の国内市場で販売する。

BP と Sinopec揚子石化 は重慶にも両社のJVのYangtze River Acetyls Company (YARACO) を持つ。
1995年にBP 51%、Sinopec 44%、地元 5%のJVでYARACOを設立、当初能力は15万トンであったが、現在は35万トンで、このほか8万トンのエステルも生産している。

両社は2008年に65万トンの酢酸の新工場建設の覚書に調印した。2011年に生産開始の予定で、完成後の合計能力は100万トンになる。

  既報 2008年02月27日 シノペックとBP、重慶で酢酸を増設
  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=23467

南京のNCIPではセラニーズがワールドクラスの酢酸工場を操業している。
自社のAO Plus法を使用するもので、第一期60万トンは2007年にスタート、第二期60万トンが2009年に完成、現在能力は120万トンとなっている。

  既報 2007年06月26日 セラニーズ、南京の酢酸年産60万トン工場が操業開始
  http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=21700


中国の2009年の酢酸生産量は312万トンで、298千トンを輸入し、65千トンを輸出している。